こんばんは、
先日の寒波でもロッド製作を控えたほど気温が急に下がったので、
本日はロッド製作場所の引越しをメインに
本当は、明日四国でアカムツ釣りに行く予定でしたが、
中止に。
この時期なので覚悟はしていましたが、
色々したい事あったので残念です。
ロッド製作場所は、
他の業務内容やスペースの兼ね合いで、
工場内を3回ほど移設してきましたが、
本日、1階入口前から2階の使ってなかった部屋に移動しました。
赤い部屋。
画像にすると赤ですが、
赤っぽいオレンジです。
断熱性がそこそこある小さな部屋なので、
暖房も冷房もガンガン効きます
今使ってるエポキシは、
硬化中は23度がベストな室温なので、
その温度に年中管理できます
当ブログでは釣りに関する自分なりの考えを
長々と書くことはあっても、
ロッド製作の事は書かないな、、、とお気づきの方様も居られると思いますが、
ちょっとだけロッド製作の内容を
ロッド製作自体は、
簡単なのでアシストフック作ることができれば特別な設備が
無くても時間は掛かるかもしれませんが組めると思います。
既製品が充実しているので、
材料を買えば後は組み立てるだけのプラモデルの感覚でロッドができます。
あとは、
何本も組んだり、組んではバラして組みなおしたりしながら、
徐々にブランクの特性と実際の使用感を掴んだ上で再度組んだり、
ガイドセッティングやリールシートの固定方法や、
ロッドの用途毎のバランス位置の取り方なんかを
イメージどうりに詰めきれるかどうかが重要になってくると思います。
こだわりだすと、
ロッドの振動する位置と度合いと減退なんかで、
レングスやブランク径や厚みなんかで変わったりする事に気付いたり、
求めるブランクが既製品に無いのがストレスになり、
そのあたりからモヤモヤし始めるかと思います。
増幅は難しいです、
要らないモノも増幅し、
止める部分が無いとエコー掛かった感じで邪魔になってきます。
止める部分はリールートで、
ラインの振動がリールシートで止まり、
出来るだけエンドに抜けないよう、
リールシートがスピーカーになる条件で組みます。
その条件で組もうとすると色々な制約が出てきます。
最適な条件で組んだロッドをお客様に見てもらって、
リールシートがスピーカーになってるロッドを体感していただいてました
軽いロッドでないとなかなか鳴る条件にするのは難しいです。
ロッドの組み方や、重要視するところが他にあると、
増幅の考えではなく、
まずは減退を抑えて、
ロッドの用途と組み方では出来るだけ増幅させないような工夫をするか、
増幅するなら止める部分をシッカリ作ることが大切になってきまして、
これらを意識して良い所で組めますと、
誰が使っても使用感がクリアで素直なロッドに仕上がります。
僕は主にこちらを意識する事が多いです。
タカミテクノス立ち上げ以前から言ってる事なので、
久しぶりに持ち出して懐かしさもありますが、
感度面では原音再生を追及。
いわゆるハイファイなロッドをどのシリーズでも追求してます。
増幅(エフェクトも含む)を抑えて、
ボリュームがそもそも大きく、
それを減退させない。
こんなのをどこまでも追求します。
楽器でいう直アンのパッシブです、
さらにトーンはカーボン構成に依存。
タカミテクノスは、
ブランクもEVAもオリジナルで、
自分が考えた材料なので、
調子を調整するガイドセッティングをしなくて良いようになってます。
ブランクが曲がりたいように曲げてやるのがベストです。
ガイドセッティングで本来の調子を弄ると僅かでも突っ張り感が生まれます。
オフショアジギングはキャスティング考慮の制約があまりないので、
ブランクが曲がりたいように曲げてやるセッティングで組めます。
ガイド位置で調整しなくてはならない、
妥協した調子のブランクを使わなくてはいけなかった昔の経験がストレスで、
ロッド組むならブランクからオリジナルで!と思ってましたので、
竿屋始める前は、竿作りに手を出したらヤバいなと思ってました。
最近、弟が
「小学生の頃から屋根裏でゴソゴソとロッド作ってたのが、
大人になってもやってること変わらんとは(笑」と
僕の勉強机は常にウレタンでコテコテになっていて、
ライトはほんのりヒーター代わり。
自作ルアー吊るすワイヤー張ってたり。
作るのが好きから入った訳では無く、
ルアーとかロッドが高いから買えないので、
ある物でなんとかするってのが入口でした。
やってるうちに釣り仲間から誉めてもらったり、
あげたら喜んでくれたりで、
徐々に楽しくなっていった流れです。
作るのが好きというより、工夫するのが好きです。
画期的で斬新で前人未到で良い方法にたどり着いた時点でも、
常にもっと良い方法が存在する事のエンドレス感。
明日には最新素材が世に出て、
別の条件が生まれるかもしれないネトゲ廃人状態。
エジソンの、
there is always a better way です。
何を勉強してたのかを今になって理解してもらえたはず(笑
この頃から、上手下手に関係なく、
何かを作ること以外に取り得無い人生確定してましたね
脱線しましたが、ロッド作りで考える点で、
良く聞く感度に関して。
組み方やパーツ構成を考える時点で、
感度良いロッドを作るというのは最優先では無いものの、
求めるいくつかの事でその組み合わせの中の一つに感度も入れてますので、
相性の良い理屈を搾り出すと、
感度面だけで書いていっても相乗効果やメリットの共有や、
デメリットのカバーなんかで繋がってきます。
単体の要素のみ追求すると、
癖の強い仕上がりになりやすいので、
そういったロッドは、
ワンオフまみれのフルオーダーで御作りさせて頂いております。
感度に関しては、
大きく分けて、
秒単位時系列での変化の相対感度と、
対象からの直接的な絶対感度の2つあるとして、
ジギングでは相対感度の割合が多く、
重要視してます。
例えば、
バス釣りでラバージグをボトムパンプさせてる状態で、
バイトやロッドに伝わるものがあるタイミングは、
ロッドに負荷が掛かっていない状態か、
あまり負荷が掛かっていない状態なので、
絶対的な感度が伝わってくる条件となり、
ブランクタッチや硬いパーツ構成、
軽いロッドや高弾性カーボンのメリット効果大であると考え、
ジギングのように、
宙の釣りで、
ロッドに負荷が掛かって曲がっている割合が多いような条件では、
ロッド挙動変化から負荷の違いで感じるようなのは、
相対感度を要求すると考えます。
潮の境目や、魚の追いやまとわりなんかは、
高弾性カーボンでも低弾性でも、
ロッド自体のトルクで返ってきさえしていれば感じ取れます。
ロッドのトルクが足りなくティップ~ベリーが起き上がってこないと、
変化はかなり掴み難くなります。
ジギングロッドは、バットのトルクというか補強で固めていたりして
大体強いので、
巻き取りトルクの強いローギアで巻物してる時の
変化をかき消すような状態になる事が多いと思います。
つまり、ティップで変化や感度を捉えるか、
ロッドが曲がりこんだ状態で変化や感度を捉えるかで、
ロッドへの考え方が変わってくると思います。
なので、ジギングロッドに関して言えば、
軽いロッド&高弾性=両方の感度が良い は半分正解で、
用途によっては低弾性の方が感度が良い条件もあります。
グラスを混ぜるのは感度面では良くないです。
コンポジットも極端にすると伝達路の振動数が不自然に変わりすぎたり、
体積と質量の変化率も、不自然に変わるので悪い方向になりがちです。
同じ事を2回言ってるような感じですが、
軽減する方法もあるので言い方を2通りで変えてみました。
力強く早く返るニュアンスではなく、
力強くゆっくり返ってくる方が相対的な感度は取りやすいです。
前者が駄目なのではなくて、
相対感度面だけを考えればの内容で、
ジグアクションさせる為に、
力強く早く返るニュアンスを選ぶ事もあると思います。
よりベストに近づけるには、
ロッドの番手とジグウエイトとリールの巻量、
水深とラインシステムを最適化していく為に、
何本もロッド持ち込んだり、色んなリールに色んなラインシステムを巻いたり、
ジグも各ウエイト、各タイプ準備し、
アングラー毎の過去の経験など、
海域やターゲットの知識で準備すると思います。
ジギングで絶対的な感度が出たときは、
既に針に掛かってるか触ってるので、
結果発表的な情報になる事から、
絶対的な感度が出る前の相対的な変化の情報量の大小で、
1匹でも多く釣るか、
追いに気付かず逃すかになってくると思います。
あとは、海の中の状況を把握するにも相対的な感度が必要です。
状況の変化に気付きヒーローばりに状況打破するか、
気付いた人の後追いをするかの違いが出てくると思います。
いわゆる感度と呼ばれるのは、
おおよそ絶対的な感度の方だと思いますが、
ジギングでは絶対的な感度は最重要ではなく、
良い材料で素直に組めば付いてくる程度で必要十分になります。
硬いロッドでは相対的な感度はわかりにくく、
先調子よりどちらかといえば、
曲がりこむ胴調子の方が掴み易いです。
感度に関してはこういった事を考えてます。
そんな事を長年考えてきながら、
自分のロッドを作るのではなく、
お客様の御要望やリアルタイムの現場のニーズを観察しながら
イメージを出来る限りシンクロするよう努めて参りまして、
自分の好みと現場のニーズがある程度一致しているであろうシリーズ、
MOZが2月27日、
国内海外同時受注開始です
結局、MOZのアピールかの展開ですが、
これらの事は6年ほど前に始めてリリースした、
オルタネイトから同じ理屈を持ってましたので、
去年リリースしたQEDももちろん同じ理屈で開発しております
最後に、
私自身も思い入れの強いオルタネイトシリーズの「100」
オルタネイト100の在庫が無くなり廃盤となりました。
多くの方様から御注文いただきまして、
ありがとうございました。
デッドストックで、
組みかけていたオルタネイト100 6.5ftベイトモデルがありまして、
それを今になってスレッド巻きなおして仕上げました。
数日間工場にありますが、
月末に加古川のLeaLeaさんの
タカミテクノスコーナーに置いてもらおうと考えてます。
未だにオルタネイトシリーズが一番!と言ってくださるユーザー様が何人も居まして、
何百匹も鰤ヒラマサ掛けて釣りすぎてホグれるように折れたりしても、
同じロッドがまた欲しいとオカワリ注文頂けるほど。
オルタネイト150と200はまだ10本前後在庫あります。
40t高弾性カーボンをバットの補強に使ってますが、
上記で書いてるように、
100→150→200になるほど、
不自然な補強ではないように調整し設計してます。
3月からはMOZの製作が多くなると思われますので、
昨年のQEDリリース後5ヶ月待ちペースで製作進めてまして、
だいぶ追いつき2月末納品でまだ2件ほど余裕あります。
QED666のブランクが焼きあがり届きまして、
塗装も完了しましたので、
明日からQED666の製作に入ります。
長文でしたが、
最後までご購読ありがとうございました
ではまた
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大寒波前に。
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