今回は、ジグウエイトやドラグのマックス値のスペックについてご紹介させていただきます。
(Jerk BPM:Fast←Middle→Slow)
23MOZ621LM (60g←100g→180g) DragMax4kg
23MOZ622LM (100g←160g→260g)DragMax5kg
23MOZ623LM (140g←220g→340g)DragMax6kg
23MOZ624LM (180g←280g→420g)DragMax7kg
23MOZ625LM (220g←340g→500g)DragMax8kg
23MOZ626LM (260g←400g→580g)DragMax9kg
23MOZ622HM (110g←160g→280g)DragMax4kg
23MOZ623HM (160g←220g→360g)DragMax5kg
23MOZ624HM (210g←280g→440g)DragMax6kg
(Jerk BPM:Fast←Middle→Slow)
ジャークBPMという記載は、ジャークのテンポに関係する意味合いです。
60BPM=1秒ピッチです。つまり1分間に60回ジャークするテンポを表しています。
Fastは120BPMです。1秒間に2回、1分間に120回ジャークするという意味です。
Middleは60BPMです。1秒間に1回、1分間に60回ジャークするという意味です。
Slowは30BPMです。2秒間に1回、1分間に30回ジャークするという意味です。
Slowの倍速がMiddleで、Middleの倍速がFastです。
このように、ある程度の基準はあるもののスペック数値通りに使うとベストという事ではなく、
この位のジャークテンポで、この位の重さのジグウエイトであれば、
ロッドが勝ちすぎず負けすぎることもレアケースという捉え方で、ロッドのパワー感をイメージする材料というご理解でお願いします。
なぜイメージ材料程度にしかならないのかは、下記の項目
「ジャークBPMとジグウエイトの関係性について。」にて詳しくご説明させて頂きます。
ジャークBPMとジグウエイトの関係性について。
一回のジャーク中で、どのタイミングでどれだけリールハンドルを巻き込むか(巻取量)によって、
ジグに伝えるラインテンションのニュアンスは変わってきます。
さらに、一回のジャーク速度やジャーク角度やジャーク幅によってもニュアンスが異なります。
もちろん、船の流し方や潮流の具合によっても異なります。
こういった理由から、
ジャークBPMとジグウエイトの表記は参考程度としてお考え頂きたいです。
実際には臨機応変に、
スペック表記にとらわれ過ぎず番手を使い分け、ロッドだけでなくタックルのトータルバランスで状況に合わせたり、
LMとHMの特徴を活かしながら攻略するのも楽しいです。
一匹も釣れない、バイト(ヒント)も無いようなシビアな日でも、
経験と直感と海の状況にタックルのバランスを工夫して合わせた上でテクニックを駆使し、
なんとか一匹キャッチできれば嬉しいですよね。
経験上、難しいテクニックを駆使するよりも、
まずは先にタックルバランスを合わせる方を意識した方が良い結果に繋がりやすいです。
その為、MOZシリーズは1つの番手でも使用範囲がとても広くタックルバランスを出しやすい設計と素材で構成しています。
目まぐるしく移り行く海の状況を広くカバーできるというのは、とても大切な性能です。
ジグウエイトの数値をどう定めたかについて。
ブランクの使用素材と設計の時点で既に理論上のジグウエイト数値はある程度計算出来るのですが、
実釣では理論と少し異なります。
ジグウエイトスペックは理論上の計算と、経験豊富な松井テスターの3年に渡る実釣テストでの感覚でバランスを取りました。
番手毎のパワー差に規則性を持たせた設計によりジグウエイトの数値にも規則性があります。
実釣では物理的な理論以外に不確定な要素が存在します。
ジャークの個性も主観もユーザー様毎に違いがあると思います。
こういった理由から、表記しているジグウエイトは参考値としてご理解をお願いします。
Neo solid"CC"customのブランクであっても違いはあったとしても誤差範囲内、許容範囲内となります。
Neo solid"CC"customは、横繊維が主となっている為、ブランクの硬さに与える影響が少ないです。
使用感は硬くなった感覚は少なく、柔と剛が備わったスタビライザーが付いている感覚です。
そういった理由で、Neo solid"CC"customのブランクであっても、スペック表記を「同じ数値」としました。
DragMaxの数値について。
まず気になるところが、
リール単体での数値か?フロロリーダーをガイドに通しての数値か?
PEラインをガイドに通しての数値か?
フロロとPEの製品毎の摩擦係数も関係して誤差がでます。
ドラグの特性でも誤差がでます。
ここに関しましては、
上記3つの方法で、10%ほどの誤差があります。
最も大きく表記のDragMax数値に違いが出てくるのが、ロッド角度(ラインの進入角度)です。
今回の23MOZシリーズのDragMax数値の定め方は、ラインの進入角は70度ほどで
上記3つの方法の平均値をまずはチェックしました。
ラインの進入角70度というのは、例えば釣り座から投げずにジグを投入し、
ラインが流されず真っすぐ海底まで一直線に進入している状態で、ロッドが海面と平行になっている状態は、
おおよそ90度と考えます。
70度というのは海面と並行の0度のロッドを20度立てた状態です。
海面と水平付近でジャークしていてもフッキングした時には70度ほどに立てる事が多いと思います。
ファイト時でも、少し立てた方が綺麗に曲がって釣り味も楽しいと思いますし、
MOZのクッション性能を最も発揮するロッド角度は70度付近で、最も美しい曲線となるように設計しております。
この「ライン侵入角度70度付近」という少し立てた角度で、DragMaxの数値を定めました。
23MOZ623LMはDragMax6kgとしておりまして、
ライン侵入角度70度で6㎏を超えると折れるという危険な数値ではなく、
ライン侵入角度70度で6㎏の条件でもバットパワーを使い切らない程度にクッション性が残っている数値です。
フッキング後に根に入られたくないターゲットを狙う際のドラグ値といったところでしょう。
つまり、MOZシリーズでは実用範囲の限界をDragMax値としております。
水深が浅い、鋭く速く強いフッキングなどの条件ではドラグの滑り出しが遅れ、
瞬間的に破断する限界値を超えてしまう事もある為、
やはり実用範囲の限界として定めているDragMax値を守って頂くのが安心安全です。
危険値はロッドのコンディションにも寄りますが、
ライン侵入角度70度でDragMax値である6㎏を30%オーバーした7.8㎏あたりが危険値ですので、
使用頻度が低くダメージの少ないロッドコンディションであっても危険ですのでお控えください。
ライン侵入角度が80度ではDragMax値がどうなるかは、
表記のDragMax値の35%オーバーした8.1㎏あたりが危険値です。
90度ですと40%ほどオーバーした8.4㎏あたりでしょう。
ですが、8.4㎏まで使える訳ではございませんので表記のDragMax値内でのご使用をお願いします。
逆に、90度よりライン侵入角度が鈍角になりますと、徐々に「折れない」という条件になってきます。
例えばDragMax値が6㎏であったとして、
110~120度程度ロッドを海面に向けて鈍角に調整すればDragMax値という概念がなくなり、
仮に20㎏のドラグ値でも理屈上は事故でもない限りは折れない条件となります。
派手に見えて意外と楽な腹当てファイトで楽しむ場合は、ラインの進入角度が鋭角になりがちで
60度を超えてしまう事もあると思います。
この条件ですと、もちろんドラグ設定の危険値は低くなりDragMax値の6㎏が危険値になる事もありますので、
腹当てファイトのファイトの際にはDragMax値の20%ほど低いドラグ設定に調整してください。
MOZは折れない壊れないという印象を持って頂けているユーザー様も多く、大変嬉しく思いますが、
きっと折れないように壊れないように巧くお使い頂けているのだと思っております。
松井テスターもこれまでMOZを1本も折れたり壊したりしてませんが、
無茶をしたりロッドのコンディションが悪くなっているとあっさりと折れたり壊れたりする事はあります。
初期不良は数千本中1本はあります。ゼロではないです。
ゼロに近いですが残念ながら初期不良はゼロには出来ません。
ご迷惑お掛けしております。もちろん対応させて頂きます。
ガイドフット抜けトラブルはゼロです。
本日のところは以上です。
今週の月曜日から本日の第4談までで一旦アナウンスは中断です。
リリースは6月を予定しております。まだ初旬か半ばか末リリースか決定出来ておりません。
次のアナウンス開始も今回と同じようにテーマ毎に数日に分けて、紹介と説明をさせて頂きます。
次からはロッドの画像も撮影し紹介できます。
次回からのテーマは、
「メーカーorショッププリセットカスタムについて。」
「ロッド価格と新しい仕組みのセミカスタムオーダーの紹介」
「16MOZシリーズと23MOZシリーズの負荷毎のベンドカーブ比較」
「船で沖に出て番手毎ウエイト毎のロッドアクション紹介動画(PV)」等、
全貌を紹介できる内容となっております。
第1談から第4談までご覧いただいた方様、ありがとうございます。
最後に、
16MOZシリーズをリリースしてからフルモデルチェンジをすることなく7年となりました。
ユーザー様お取扱店様に大変長く力強く応援頂きまして、
タカミテクノスは会社としても成長し、7年前では到底出来なかった事が今は出来るようになりました。
今のタカミテクノスを取り巻く環境やパワーアップしたエネルギーは、
外注生産や自社生産での生産本数アップ注ぎ大量生産体制にすることは出来ます。
しかししません。
カスタムロッド屋としてカスタムに全てのエネルギーと情熱を注ぎます。
生産本数を30%減らしてでもカスタムロッドを主体に生産します。
それがこれから始まるタカミテクノスの新しい3つの取り組みです。
「プリセットカスタム」
「新しいセミカスタムの仕組み」
「ユニークモデル」です。
既に16MOZをご愛用頂いているユーザー様、
コアでマニアックなアングラー様に喜んで頂ければ幸いです。
フルオーダー本格開始よりも喜んで頂ける事や面白い事はないだろうか考えた末の3つの取り組みです。
では、次回アナウンス開始までしばらくお待ち願います。
↓リンクからタカミテクノスの全てのコンテンツにアクセスします。