こんにちは
前回の記事の補足としても書かせて頂きます。
ポイントを箇条書きにしますと、
①水深が深くなるにしたがってジグへのラインテンションの伝わり方が遅れる
②穂先からジグまでのラインがどう入ってるかでラインテンションの伝わり方が変わる
③ジグ形状やタイプによって適切なラインテンションの強さと伝わり方に違いがある
④ジグ形状によって適切な水の抵抗がある。限度がある。
①~④まで全て共通する事は、ラインテンションのコントロールです。
まずは①のラインテンションの伝わり方が遅れるという事について。
ジャークなどの動作でラインは伸びます。
次に縮みます。
ラインテンションが最も強くジグへ伝わるタイミングは、ラインが縮み始める瞬間です。
そのタイミングでロッドが先に返りきってしまうと、ロッドのアクションがジグに伝わっておらず、
ジグが潮に噛んでいない錯覚が起きます。
実際にロッドアクションでジグを操作出来ていないので、
入力初期にラインテンションがガツンと伝わらないようにする為の
クッションになっているだけの状態です。
こうなると釣れない訳ではなく、ロッドでラインを引っ張らないから釣れることもありますが、
表現の仕方が単一になりがちで、釣れない時は打開しにくい状態に陥りがちです。
ジグが水を押し動いている時にロッドが返りきってしまっているので、
ラインの縮みでリールを巻いたなりに上昇しています。
ジギングは宙釣りなのでロッドが返りきり真っ直ぐになってしまうと
水中下の情報がロッドに伝わってこなくなります。
つまりジグが潮を噛んでいるかの情報が伝わってきません。
高弾性タイプのロッドや先調子のジギングロッドは返りきるのが早いので、
水深が深くなるとラインの縮み始めるタイミングよりも早くロッドが返ってしまうので、
適切ではない場合が多いです。
水深が浅いと縮み始めるタイミングも早くなるので、適切になる方向です。
それが③と④のポイントに関係します。
使用しているジグに丁度良い水の抵抗を与えられているか、
ラインテンションの伝わり方がジワーっと伝わる方が良いのか、ガツンと伝わる方が良いのか。
ジグの形状によって異なりますので、リールの巻き量やジャーク方法が変わってきます。
そのラインテンションの伝わり方をコントロールするのがロッドの調子の役割です。
どうゆうニュアンスを表現したいか、
その為にはどうゆうタックルバランスでどんなジャークスタイルにすると、
ジグまでイメージ通りのラインテンションが伝わるかを考えます。
しかし②の潮の状態で、ロッドとジグ選びは大きく変わってきます。
二枚潮や瀬周りの吹き上げる潮流や部分的に加速している潮流などでアプローチが変わってきます。
全部解説しますと、物凄い文字数になるのでここからは簡単にします。
ロッドが曲り込む量が多い、胴調子(レギュラーテーパー)=返り始めるタイミングが遅いのでラインの縮みはじめとシンクロしやすい
ロッドがレスポンス良くビンビン動く=水深浅が得意
ゆっくり力強く返ってくる=深い水深が得意
MOZはシリーズは全水深に対応できますが、
イメージするニュアンスでラインテンションをジグに伝えるかでモデルが変わってきます。
タカミテクノスの製品開発は、このように物理的な条件のように確定的な要素で作られています。
釣りなので不確定な要素は不確定なままで、後付けにしても仮説の域を脱しません。
自然相手なので、なにか法則はあるのかもしれませんが、
それを製品開発に活かすことはしていません。
魚の生態を勉強するとアプローチの仕方が的確になると思いますが、
タカミテクノスのロッドには、
人間工学と物理や流体力学など確定的な要素を取り入れてます。
表現したいラインテンションをイメージして、
タックルバランスを考える。
ジグに適切な水の抵抗を与えて、その動きをロッドで感じ取る。
そうするとターゲットを掛けるまでの引き出しが増えていくと思います。
普通のワンピッチでも、ロッドの返り始めのタイミングは重要ですが、
どちらかというと入力初期のクッション具合がキモになっているように思います。
ジャークテンポが遅くなるにしたがって、
ロッドの返り始めも遅れるロッド選びをすると良いです。
ジギングロッドは、
曲り始めのラインテンションの掛かり方のクッション役以外に、
ラインが縮み始めるまでの時間稼ぎって考え方が大事です。
ラインの縮みと同時にロッドが返りきるタックルバランスに出来ていると、
ジャークテンポが遅くても魚のまとわりやバイトがロッドに出ます。
ロッドが真っ直ぐに戻っている時や、ロッドを下ろしている時にバイトがあっても、
アングラーには伝わってませんので、
次のジャークのタイミングで食ってたと気づくと思います。
小難しい事を書かせて頂きましたが、
過去に何度も同じ内容で記事にしていたので、知ってたって方も居られると思いますが、
久しぶりに書かせて頂きました。
徐々にシンプルな内容になってますが、
要点は抑えていると思います。
タックルバランスの考え方の参考にして頂き、
気持ちよくジギングを楽しんで頂けると嬉しいです。
ではまた。